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エルサルバドルの剣道事情

  • 執筆者の写真: yuhikai
    yuhikai
  • 11月15日
  • 読了時間: 4分

更新日:11月27日

さて、第二回のトピックはエルサルバドルの剣道事情についてです!


・・・結論から言うと、剣道は全く普及していません。(・・・もとい、まだまだ大きな伸び代があります!)


武道の競技人口でいうと【空手/テコンドー】➠(かなりの差があって)➠【剣道/柔道】といった具合で、肌感覚では「(なんとなく)剣道を知っている」という人が7割くらいでしょうか🤔

一方で、空手とテコンドーは比較的普及していて、地域を問わず子供のころに習っていたという人もいます。偶然にも、語学訓練中、そして活動中にお世話になっているホストファミリーの両方に空手・テコンドーをしていた人がいました。また、空手・テコンドーの経験者やその保護者などは、武道における礼儀の大切さなどを認識していて「日本では武道ような文化的背景が、今の国民性(規律の正しさや忍耐強さ)につながっているのか」と聞かれたこともあります。

もっとも、全員が空手とテコンドーの発祥国を認識しているわけではありませんが、日系人社会もないこの国で、遠いアジアの国から来た武道自体が認知されているだけ素晴らしいと思うべきなのかもしれません。


使い方がちょっと違うけど、まぁしかたないか…😓
使い方がちょっと違うけど、まぁしかたないか…😓


↑5月の語学訓練期間にお世話になったホストファミリーの妹と弟、そしてそこのスイス人宿泊客。白いシャツの彼が小さいころに空手をやっていたそうです。


↑任地でお世話になっている家のホストシスター(当時13歳、テコンドー)
↑任地でお世話になっている家のホストシスター(当時13歳、テコンドー)

全国大会で優勝したときの盾。
全国大会で優勝したときの盾。

9月に入ってから、首都に行くときはエルサルバドル剣道連盟の稽古にお邪魔するようにしていますが、JICAの韓国版であるKOICAが国際協力の一環で建設したテコンドー道場内で稽古をしています。KOICA建設のため、正面には韓国旗とエルサルバドルの国旗があり、剣道の稽古のときはそこに日の丸を壁にかけています。


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剣道を知っていても経験したことがある人はかなり少数になります。エルサルバドル人に剣道のルール(剣で相手を攻撃して、先にポイントを取ったほうが勝ち)を説明すると「あー、フェンシングと同じだね」と容易に理解してもらえますが、打突部位が四か所しかないことや有効打突(当てればいいだけではない)や礼節や精神性などについて話すとその違いで驚かれることもしばしばあります。


また、そもそも人を叩くという行為に対して抵抗がある人が多いようです。先日、首都にある大学で丸めた新聞で相手の面を打つアクティビティを行ないました。事前にデモンストレーションをしたので、”パコーンッ”と打ってくれることを期待しましたが、頭上10㎝まで振り下ろしただけでもう「人を叩いてしまった」と言わんばかりに苦笑いする学生が大勢いました。


その大学のイベントを含めて、隊員が派遣されている各地で日本文化紹介の機会がたくさんあります。エルサルバドルに派遣されてからの約半年間で、すでに計5回のイベントを実施しました。11月中旬にもサンミゲルという国内第三の都市で交通省とJICAの共催イベントの予定があります。https://pedaleada.mop.gob.sv/

普段は他の日本文化紹介(箸、文字、浴衣の着付など)とセットで行ないますが、剣道にも興味を持ってくれる人がとても多く、やりがいを感じています。



6月末、任地入りしてから一か月足らずで担当したイベントの日本紹介パート
6月末、任地入りしてから一か月足らずで担当したイベントの日本紹介パート

10月中旬に同じ任地の隊員が開いた日本文化紹介イベントにて。
10月中旬に同じ任地の隊員が開いた日本文化紹介イベントにて。

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最後に、剣道を見たことがない人に対してこのような活動を行なうことは大変意義深いものだと感じます。

こうした地道な活動をとおして、エルサルバドルの剣道の認知度向上につながると思うと剣道を始めてよかったな・・・と毎回思います。

隊員の中に剣道経験者はいてもすでに辞めてしまっているので、自分の場合は大人になってから始めたことが正解だったかもとさえ感じています。


これからもさまざまな形でお声がけいただく機会があると思うので、それらひとつひとつ大切にしつつ、剣道の地位向上のために、また剣道を通して日本とエルサルバドルの親善・交流を深めるために活動を続けたいと思います。

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