エルサルバドル剣道・居合道連盟
- yuhikai

- 3月19日
- 読了時間: 5分
先日、エルサルバドル剣道・居合道連盟の会長にインタビューを行いました。今回は、エルサルバドルの剣道連盟がどのようなところかご紹介します。
使命(ミッション):エルサルバドルで剣道の教え(特に、自律・礼節・誠実さ)を広め、また普及するための団体であること。
将来像(ビジョン):エルサルバドルにおいて、正しい剣道を実践すること。平和構築、健康と自己成長の面で他の模範となること。
会員: 35名(2025年登録者/FSKIの道場二か所および個人道場の合計)
①カフェタロン公園(サンタテクラ)月・水・木 17:30 – 18:45/土16:30-18:30
②イシイ剣道道場(サンタアナ) 土 9:00-12:00
【目標と挑戦】
①今年の目標は、会員(稽古への参加者)の数を増やすこと。そのために、従来の広報(プレゼンテーション、チラシ、バナー)の他にもフェイスブック・インスタグラム・ティックトックなどのデジタル媒体に投稿をしています。
Facebook: https://www.facebook.com/fedekendosv
Instagram: https://www.instagram.com/fedekendosv/
②単なる運動や健康維持のためでなく、人としての成長を通してより良い社会の構築ができる武道としての剣道を広めること。
③JICAボランティアの先生の教えやセミナー、昇級・昇段審査を通したエルサルバドルにおける剣道の質を高めること。特に今年は、ラテンアメリカ剣道連盟の先生方とともにセミナーの実施、および昇段審査を予定しています。
【沿革・設立経緯】
エルサルバドルの剣道は2004年にJICAのボランティア(職種:電子工学)であるオギ・ケンイチ先生というが首都のサンサルバドルにあるINTI(Instituto Nacional Técnico Industrial)に赴任されたことに始まります。当時はエルサルバドルに剣道の道場がないことを知り、設置に向けて協力をしてくれることになりました。最初は日本人とエルサルバドル人の友人に声をかけ、アイディアが少しずつ形になっていきました。その後すぐに竹刀や防具をはじめとする剣道用品を日本で所属していた道場の先生や門下生から集めることができました。2004年9月についに会の発足に至り、オギ・ケンイチ、イシイ・0ツヨシ両先生の下で稽古を始めることができるようになりました。とは言え、当時は稽古場がなく、エルサルバドル柔道連盟の協力もあり、スポーツ庁の施設で稽古を始めることができました。現在は、各市役所の支援もあり、サンサルバドルのColonia Satélite、サンタテクラのカフェタロン公園で稽古を行っています。さらに、ビセンテナリオ公園に道場があります。
2004年の11月、入会者を探していたところで家族や友人、その他グループの人たちを招待しついに会を立ち上げました。するとすぐにエルサルバドル大学の日本語の学生など、入会希望者がどんどん集まり、翌年の5月には、土曜日の午後にも稽古会を開かなければならないほどに稽古を希望する人が集まりました。10月になり日本人の先生が、サンタテクラとサンタアナで剣道の披露を行うために来ていた先生たちとセミナーを行いました。それだけでなく、会員に向けた審査と稽古を一日かけて行いました。その後オギ・ケンイチ先生の任期満了にあたりに、その尽力に敬意を表し2005年11月26日にエルサルバドルでの最初の試合が開催され、多くの参加者とともに幕を閉じました。
また、国内ではこれまでに大使館の日本文化活動イベント、メディアに対するインタビューなど様々な形で私たちの活動が続いています。そして、年二回の大会および四回のセミナーを実施、国際的には中米大会を2度開催したほか、ラテンアメリカ大会に6度出場し、また指導者講習にも参加してきました。これらを通じて、FSKIでは、初段と二段、一級保有者を養成することができました。なお、7年前からFSKIでは、国際剣道連盟の下に登録されたラテンアメリカ剣道連盟に加盟しています。
2019年8月には、オガワ・ナオ先生がJICAボランティアの剣道隊員として赴任しましたが、コロナウイルスの感染拡大のため2020年2月に帰国を余儀なくされました。その後は2021年から2023年までにイイノ・カズヒコ先生が、2024年から2026年7月まで、オオブチ・ハヤト先生が2年間の剣道教授のために、赴任・活動されています。
剣道をはじめとする武道は身体的、精神的、社会的に大きなメリットを持つと考えています。日本においては芸術(art)として考えられているだけでなく、規律、誠実さ、礼節等を学ぶことができる大変すばらしいものです。FSKIでは引き続きエルサルバドルにおける剣道の普及に尽力をするつもりです。
エルサルバドルの剣道の歴史は20年も前に始まりましたが、成長は決して早くはありません。それは剣道が自己防衛のためではなく、人間の成長や模範的な行動のためであるからかもしれません。確かに、元をたどれば戦における剣術ですが、現代では武士道(人間的な完成に近づくための道)に基づいている者であると考えます。ハリウッドの映画などでも武道が描かれますが、そこは単なる戦いでしかなく、その先にある豊かさは見受けられません。
エルサルバドルで剣道を広めることは非常に大変なものですが、決して不可能なことではありません。そのためには忍耐力と継続が求められますが、最終的にはエルサルバドルで剣道を修練している人それぞれの努力が実を結ぶと信じています。
最後に、以前エルサルバドル剣道の父であるイシイ先生が言っていたことをご紹介します。「私は祖父の勧めで剣道を始めましたが、今となっては剣道が財産になりました。次はあなた方の番です。剣道は単なるスポーツではありません。単なる武道ではありません。剣道を修練することは礼節を学び、心と体を鍛錬することです。」








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